【読んでみた】長編小説「父からの手紙」【ラストは涙腺崩壊するかもしれない】


完全なるタイトル買い

土曜日、仕事はない。
(というか、やることはあるんだけど息子の幼稚園(こども園)がお休みなので強制的にお仕事お休み)

しかし、スマホのネットサーフィンで時間を潰すのが何だか不毛に思えるし、そもそも体が動かない。
(疲労の蓄積が主な原因と思われる)

――と、いうわけで、土曜日は、積み本と化していた長編小説「父からの手紙」を読むことにしてみました。

ていうか、ミステリー小説なんてあまり読まないし、小説家の「小杉健二」さんのこともよく知らないんですが、「まっ、たまには小説も読みたいよね」ってサラっとした気持ちで、ふと店頭に飾ってあった「父からの手紙」というタイトルに惹かれて買ったってだけの完全なる『タイトル買い』をした……というのが、この小説との出会いでした。

帯には『殺し文句』がのっかっていて

ちなみにこの文庫本、帯もかけてありましたが、それすらも購入時には「読んでいません」

――「最後の手紙」を読み終えたあなたはきっと『涙が止まらない……』。

そんな、一見すると「それ、殺し文句ってやつ?」と思わせるようなフレーズがのっかった帯の文字も、一応目には入ったんでしょうが、脳みそが認識していませんでした(ぉ)。

「お、父親の手紙がキー(キーワード)になる物語か……ふーん、どんな話なんだろうな~」くらいの簡単な動機で、この本を手にしてレジに持って行ったような記憶があります。

ミステリー小説をあまり好まない理由

しかも、そこでこの作品がミステリー小説だということに気づいてもいなかったという。

何度も触れるのですが、しののめ、まったくミステリー小説は読みません。
殺人事件がありきの話だから避けたいと思っている……のかもしれないです。
(つって、自分の小説でも人バタバタ死ぬことあるんですけどね……?)

いやきっと、ストーリー展開がロジカル(論理的)で、感情移入しにくくて、なんだかとっつきにくいと思っている節があるからなんとなく避けていた部分があるのかもしれませんね(と、ちょっとここで自己分析)。

序盤だけさっくりと読んで積み本していたのですが、土曜日に読むのを再開したら一気にラストまで読んでしまいました(結構分厚い本なのに→文庫本で430ページのボリューム)。

「父からの手紙」のあらすじについて

この話は、父が失踪してしまった経緯を持つ「麻美子」と、過去に殺人を犯してしまった「圭一」の、まったく接点のない二人の主人公の視点を軸に、基本的には進んでいきます。

母と離婚し、家族の前から消えてしまった父からは、誕生日ごとに麻美子と弟の伸吾のもとへ手紙が届いていて、それは10年も続いていて。

義姉のために刑事を殺した罪を償い終えて、刑務所から出所する圭一は、何もない状態のまま新しい生活を始めるのですが、その刑事を『何故、殺したのか』動機を思い出せずにいました。

そして実は、望まない結婚を控えていた麻美子だったのですが、婚約者が遺体で発見され、弟が容疑者として逮捕されたことから物語は急展開を迎えます……

やっぱり、プロの技術はすげーな……

と、ラストまで読んで思ったのは、ココダケノハナシ。
(せっかくなので、小説書きの視点からの感想を書いてみようかと)

しかも小杉健二さん、私が生まれた年から(ってここでそれ書いたら歳バレるwww)執筆活動を続けているゴリッゴリの大御所のミステリー小説家さんです。
手掛けたミステリー小説もいくつかドラマ化しています。

――そこまで大御所ならスゴイに決まってるじゃん!

いやまあ、そう言うのもわかるんですが、やっぱりね、経歴ばかりの判断だけじゃなくて、作品を吟味した上での「すごさ」も列挙したいじゃないですか。

構成力の緻密さに唸る

読んでいて、「あっれ、なんかココ、台詞が口語体っぽくねーな」ってところはいくつかあって、ちょっと引っかかりも感じたのですが、なにより「おお、スゴイ」と思ったのはやはり「物語の構成力の緻密さ」でした。

関係なさそうな2つの話を交わらせて、かつ、読者をミスリードさせつつ、最後の「実はこうでした!」といったストーリーの展開の仕方は、これはプロならでは……と感心しました(二つの話を走らせながら交わらせるって、結構、辻褄あわせとかでアタフタしそうな印象が)。

あとは、伏線の貼り方が参考になったなーと個人的に思いました。
少しずつ出して、引っ掛けていって、最後にリリースさせる! という感じかな? と。

そういった技術は、いくつもいくつも作品を書いていった上できっと会得した技術なのかな……とぽんやり思ったりしました。

そして、ラストのシーンとタイトルの言葉がリンクする瞬間

一番、印象的で胸に焼き付くシーンと言えば、ラスト、麻美子が父の手紙の最後の文面を読んで涙を流すシーンでした。

『父の手紙ィ!!(ドドーン)』とタイトルで銘打っているだけあって、ラストに沢山の父の手紙に埋もれながら、父が最後に書き残したであろう文面を辿って涙するシーンを持ってくるというのも逸脱すぎるし、さらに「どんな思いで麻美子の父は、この大量の手紙を書いたのだろう」と、麻美子の父親が手紙を書いていた姿を想像すると、こっちもウルウルともらい泣きしそうになります。

麻美子の父が「何をしたのか」をここで語ってしまうとネタバレになってしまうのであえて避けますが、いやむしろ「何をしたのか」を知ったうえでこのラストのシーンを読むと、「ウウ、ワアア……!(滂沱の涙)」と魂が震えます。

ただし、読後感は……

前述で「泣ける!」と豪語したのですが、読後感としては「泣ける話ではあるが、寂寞感は募るな……」と言った感じです。

なぜなら、この物語、事あるごとに登場人物たちが「誰かのために自己犠牲を買って出る」んです。『その犠牲で、他人は幸せになるか?』ということを突き付けてきながらの先述の「父親の底なしの愛情表現」、なんですよね。

それを鑑みると、いろいろ考えさせられる物語でもあります。

ただ、話の展開を常識的に捉えて「えー、ナイわー。これただの犯罪じゃん」って切り捨てることももちろんできなくはないのですが、そこは人間だもの『割り切れないもの』ってーのもあるんじゃない? なんて思ったりもするんですよね。

ううん、奥が深いです。

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